ザッケローニの功罪と誤算「ビッグマウスとメディアと次期監督はターミネーター?」
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サッカー(ブラジルワールドカップ) ザッケローニ, ワールドカップ, 次期監督
コロンビアに負けて日本代表のブラジルワールドカップは終わったわけですが、今後に向けてこの4年間を総括しておきます。
どうして、日本代表がなすすべもなく惨敗してしまったかということを僕ら一人一人が考えることが、案外と次のワールドカップへとつながると信じてます。
さて、ワールドカップで敗戦して当然のようにザッケローニに批判が集まっています。
それは、当然のことですがザッケローニもワールドカップ出場という最低限の仕事をしたことは忘れてはいけません。
では、一体どこから歯車が狂ってしまったのか、そしてどうするべきだったのでしょうか?
僕は、ザッケローニがアジア予選を勝ち抜くためにやってきたチーム作り、ハイプレスからボールを奪取して素早いパス回しで攻撃(いわゆる「自分たちのサッカー」)は、予選突破までは間違いではなかったと思います。
そのサッカーでアジアでは敵なしといった感じでしたし、(あの)日本がヨーロッパのチームにも脅威を与えるまでになったことは嬉しい限りです。
長い期間の戦いであるアジア予選は着実にチーム力をつけることが、そのまま結果につながるので良かったのです。
ただ、短期決戦であるワールドカップではそうはいきませんでした。
ここで、ザッケローニの誤算を挙げてみます。
まず、何と言っても大きかったし、これに尽きると言っても過言でないのが代表主力選手のパフォーマンスの低迷です。
本田、香川は所属チームで試合に出られず(普通、国の代表のエース二人が控えなんてとこはありません。彼らは、ジャパンマネーの影響で身の置き場を間違えてしまいました。)、長谷部、内田、吉田がケガをしたことで、それまでメンバーを固定してコンビネーションの熟成に賭けてきたザックの方針に狂いが出ます。
諸外国との試合を通じて、日本代表が真剣勝負の国際試合で勝つには、メンバーを固定してコンビネーションをクラブチーム並みに熟成させて、ようやく世界と渡りあえるとザックは考えていたと思います。
いろんなメンバーを試すには真剣勝負の試合数が少ないですし、それでは間に合わないと判断しある意味「賭け」に出たザックのやり方は悪いものではないと思います。
ただ、このやり方だと当然チーム内や日本国内のサッカー選手間での「競争意識」は低くなり、有望選手は出にくくなり人材という意味では問題が出ますが。
そして、ザックは賭けに負けました。
長い年月をかけてコンビネーションを熟成させてきた、主力選手が本番で使える状態ではなくなってしまったのです。
本当だったら、彼らがパフォーマンスを落とした時点で次善の策をすぐに講じる、若しくは用意しておくのができる監督だと思うのですが、ザックは温情主義なのかわかりませんが、予選突破を果たした選手を軸に据え続けました。
選んだ代表選手も個性豊かで様々な戦術に対応できる選手ではなく、けが人、不調な選手をリカバリーするような似たようなタイプの選手ばかりでした。
もし、万全な選手ばかりを選べるようなチーム作りができていたら、代表選手の顔ぶれもだいぶ変わっていたし、戦い方も多様になっていたでしょう(闘莉王や豊田陽平なども呼べたでしょう)。
基本的にザックと日本代表の選手がやろうとしていたサッカーは「走り勝つ」ことが大前提のサッカーですから、コンディションが良くない選手では成り立ちません。
残念ながら、ワールドカップが始まる前に勝負は決していたと言っても過言ではないでしょう。
そして、短期決戦の醍醐味でもある他国との駆け引きをせずに、まっすぐにぶつかってしまったのは残念でした。
弱者なんだから、もっとトリッキーにやって欲しかったです。
【結論】ザッケローニは「日本人でもできる世界に通用するようなサッカー」を構築することにある程度成功したが、それは主力がみんな絶好調という土台の上に成り立つ儚いものであった。
勝負師としてそういった賭け(主力がみんな絶好調)に出たザックは悪くない監督だったが、賭けが失敗しそうなのが早い段階で分かっていたのに手を打たなかったというところで問題があったという感じでしょうか。
まあ、オランダに引き分けたりすればその幻影にすがりたくなるのもわかりますがね。
【選手たち】
では続いて選手たちはどうだったのかちょっと見ていきたいと思います。
はっきり言って選手は頑張って練習して代表に選ばれて、またそこで頑張ったのですから怠慢プレーをしたりしない限りは批判するのはどうかなというのが僕のスタンスです。
でも、それが日本サッカーの未来のためになるのなら心を鬼にしてやっておきましょう( ̄∀ ̄)
まず選手全体を見て強く感じたのがみんな「まじめだな」ということです。
国を背負ってやっているので真面目にこしたことはないのですが、サッカーは「まじめ」だけでは勝てません。
以前も話しましたがサッカーはマリーシア(全人格をかけて相手を騙す)みたいなことが、得点に結びつくスポーツです。
ネットが普及して情報が筒抜けになる前は、代表選手が怪我をしたとかしないとかいう嘘の情報もよく流れたものです。
そういった時代を知っているおじさんからすると今の選手は「純粋まっすぐ君」であり、「バカ正直」であり、「子供」だなと感じるのです。
遠藤や内田のように飄々としていて、何をしでかすかわからないというタイプが少ないな~と思いました。
昔の代表選手は技術的には劣っていましたが、何かやりそうな雰囲気のある一癖も二癖もある選手が多かったように思います。
武田、城、柳沢なんておバカさんたちもいましたし。
とにかく、大久保も言ってましたが「試合の運び方」とか「ゴール前のアイディア」とかも含め、もっとマリーシア(サッカーの大人力)を高めていって欲しいなと感じました。
これは、小さい頃から縛られることなくずーっとゲームをやり続けないと熟成されないもので、小さい頃からつまんないパス練習とかしてる(すぐにある程度成果は出るけど大成はしない)今の日本では、なかなか難しいですが。
【ビッグマウスとメディア】
あとは、本田とかのビッグマウスに関してはそれ自体は別にいいと思います。
そうやって、意識を高めて自分たちを追い込んでいくというやり方はありだと思いますから(今回のように失敗すると子供たちからも嘘つき呼ばわりされて大変ですが)。
ただ、やるんならチーム全体でやっていかないと今回みたいに現実派・理想派に分かれてしまい微妙な空気になってしまいます。
一人で言うなら言わずにできたほうがいいですね(本田はこの辺が身勝手ですが、まあプロ選手なんてそんなもんでしょう)。
問題は、それにいつもの如く乗っかったメディアですし、いつもの如くメディアに乗っかった大衆ですね~。
普通の海外の大人なメディアだったら本田みたいなのはアホ扱いして、子供たちからも何か言ってるよ的な冷めた目で見られるのが普通でしょう。
だって、客観的に見れば日本が優勝なんてありえませんからね。
でも、この国のメディアは完全に大衆(しかもテレビを見ているのは団塊の世代ばかりなので、ジジババ向けの作りで醜悪の極み)の方を向いていて、本田みたいなのを祭り上げて、面白おかしくして盛り上げてしまいます。
そうすると、変な作りのサッカー番組ばかりができていつまでたってもサッカーを見る目が養われません。
サッカーがそんなに好きじゃないことが丸分かりの実況が、日本代表愛を示し続けるという気持ち悪い音声を垂れ流し続けることになるのです。
普通、逆ですよ。
サッカーが好きで好きで堪らない実況が、努めて冷静に実況しようとして思わず感情が爆発するというのが、普通なんです。
そこにこそ感動があり、子供達だってサッカーって大人をここまで熱狂させるなんてすごいんだなと思うんです。
それが、作り上げられた熱狂を見た子供たちがサッカーに純粋な興味を抱くでしょうか?
せいぜい、本田みたいにでかいこと言ったらカッコイイんじゃね?みたいに勘違いしたクソガキが出てくるぐらいです。
ほぼ、無理でしょうがサッカーを強くしようと思ったら僕たち日本人の民度を上げていくしかないというのが悲しい結論です。
【次期監督】
ということで、次の監督は「日本人(勝負弱さなど)のことをよく知っていて、そんな日本人にサッカーのことを一から教えてくれる南米人」がいいと思います。
僕の中での第一候補は鬼軍曹ドゥンガです。
ドゥンガに関しては説明する必要もないと思うが、元セレソン代表、セレソン監督を努め、ジュビロ磐田の黄金期を作った立役者でもあります。
監督の実績としては物足りないものもあるが、とりあえずまだ若いので指導熱というのは半端ではないし、それでいて、自分が身体能力がそれほど優れた選手ではなかったので、サッカーのやり方も知り尽くしてるところがいいところです。
さらに、ヨーロッパのチームにはそこそこの試合をするけど、南米にはからっきしな日本だからそのへんの強化もお願いしたいですね。
そして、一番重要なのは本田みたいなのが馬鹿なことを言っていたら代表から軽く蹴落とす強さがあるので、今後メンバーを入れ替えなければならない日本代表にはうってつけの監督だと思われます。
で、理想的には2年ぐらいでオサラバして、最終予選、ワールドカップは力のある監督で行くというのが理想かと思います。
【まとめ】
さて、ここまでいろいろ書いてきましたが、日本弱かったですね~。
手も足も出ないというのは、ああいった状況だと思います。
粘りに粘って16強に入ったことでその後のサッカー界を盛り上げた南アフリカワールドカップ、でかいこと言って華々しく散ったブラジルワールドカップ。
今後、日本サッカー界がどうなっていくかはわかりませんが、いろんな意味で勉強になったと思います。
おつかれ、にっぽん。
pc
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