大阪市の｛問題行動の児童生徒に「個別指導教室」｝についての論考

今日は、このニュースにスポットを当ててみよう。

これは大阪市の教育委員会で決定された事項で、あまりにも問題行動が目立つ生徒は一時学校から隔離して他の施設で教育するというものらしい。

詳細はこれから煮詰めるらしいが、なかなかデリケートで難しい問題だ。

ひとつやり方を間違えれば、大問題に発展するだけに、ある意味勇気ある決断とも言える。

では、まずは問題児側の更生という面から考えてみよう。

橋下市長の話だと、現状学校の先生は問題児を抱えてクラスの舵取りをしていくだけの余裕はないということだ。

確かに、この点は小学生の子供を持つ僕の視点から見ても的を得ているように感じる。

今の学校はやはり無難に無難に事を済まそうとする傾向が強く、先生方も温和な方が多く、問題児のようなある意味パワフルな子供を指導するのは難しいと思う。

これは、時代の流れだからしょうがない。

そして、問題児にとっても専門の施設に行って指導されることは、指導のされ方にもよるだろうが更生するチャンスにはなるだろう。

子供の心理面から考えても、更生施設の存在は問題行動の抑止力になることは間違いないと思われる。

昔で言う「生活指導の怖い先生」的な役割を果たしてくれるのではないだろうか。

さて、問題児の更生には良い影響を与えそうな気がする今回の施策だが、他の生徒に与える影響はどうであろうか？

僕が気になったのは橋下市長の「問題のある生徒のせいで、まじめな生徒がばかをみることがあってはならない」の言葉である。

確かに、重度な暴力や放火などをする生徒と同じ教室に我が子を置いておくのは心もとない。

ただ、気をつけなければならないのはそういった問題児に対する他の生徒の考え方で、一度問題を起こせばもう完全にコミュニティには戻れないとするような雰囲気が出来上がってしまうと、そこにまた大きな問題の火種ができる。

そして、今の子供たちの環境は非常に同調圧力が強いので、おそらくはそういった空気を作り出すのではないかと思われる。

そうなった時に、問題児の帰る場所がなくなり、他の生徒は「問題のある奴は排除する」という非常に簡単なやり方をマスターしてしまいそうだ。

だから、僕の考えとしてはあくまでそういった施設はギリッギリの最終手段として取って置き、問題児には「更生施設へ送るぞ」という脅しを暗にかけ続けることで、なんとかクラス内での解決をはかるべきだと思う。

そのためにも、学校側にそういった生活指導員的な役割をしてくれる人を外部から取り入れるのもありだろう。

警察OB、自衛隊OBなどといった人達は、人選もしっかりする必要はあるが持ってこいの人材ではないだろうか。

また、社会に出て会社に入れば「問題のある奴」なんて腐る程いるわけだから、その対処法を学ぶという意味でも、安易に問題児の隔離を遂行すべきではないだろう。

自分の子供だって、ちょっとしたはずみで問題児になる可能性はあるわけだから、しっかりと考えなければならない問題である。

ホントはもっと「地域」が学校・子供と関わる機会・場所を増やすのが、一番効果的だと思うのだが・・・

僕は、小さい行動ですが他の人が車で行くような距離の場所でも歩いて行って「町を歩く大人」という役割を担ったりしています。

それでは、これでニュースの感想を終わります。